最近何かと騒がれているアフガニスタンですが、一体何があったのでしょうか?
2021年9月4日(土)「池上彰のニュースそうだったのか!!~実は親日!?アフガニスタンのこと知っておこう!~」より、時間のない人にもすぐ理解していただけるように、内容をまとめました。
米軍撤退で混乱するアフガニスタンの現状
現在、米軍が完全撤退したことによりタリバン勢力が拡大し、昔のように支配されるのはイヤだという理由のため、アフガニスタンから市民が逃げ出しています。
このタリバンとは何なのか?
今まで市民に対してどんなことをしてきたのかを知るには、タリバンとアルカイダ、アメリカの関係性ついて少し詳しく知る必要があります。
アフガニスタンの歴史
90年代初め | 多くの勢力が争う無法地帯 |
1994年 | 武装勢力タリバンが登場 イスラム教の国をつくる!と主張 |
1996年 | 首都を制圧して政権をとる |
2001年 | 米同時多発テロが起きる アメリカ軍がアフガニスタン攻撃 新たな政府が誕生 |
2020年 | トランプ大統領が撤退を決める |
2021年 | 国民が逃げ出す大パニック! |
1990年代初めのアフガニスタンでは、殺人・強盗・誘拐が横行していました。
そんな中、タリバンという組織がアフガニスタンに入ってきます。
タリバンは、アフガニスタン内の武装勢力を一掃し、国民から支持されていきます。
タリバンとは?
「イスラム教の国をつくる」という組織のこと。
ペルシャ語で「学生たち」という意味があり、極端な考え方のイスラム教を学ぶ学生の集まりです。
90年代のタリバン政権は、軍事と政治に分かれて徴税や警察機能も作りましたが、実際のところ政治に関しては機能していなかったそうです。
残虐な一面もあるタリバン兵
タリバン兵と12歳の時に結婚した女の子は、嫁ぎ先の家族から奴隷のような扱いを受けて過ごしました。
17歳になったある晩、あまりの虐待に耐えきれず脱走をしましたが、のちにつかまります。
他の女性が同じように脱走しないようにと、見せしめに両耳と鼻をそぎ落とされてしまいました…
タリバン兵による市民への、数々の禁止事項
イスラム教の教え「コーラン」を独自に解釈したタリバンは、人々を厳しく支配していきます。
特に女性に対しては、
- 教育禁止
- 就労制限
- 家族の男性と一緒でなければ、外出禁止
一般的には、
- 酒
- タバコ
- 音楽
これらを禁止にする理由は、
神様のいいつけを守っていたら、いずれ天国に行ける。
天国に行ってから楽しめということからだそうです。
更には、
- 映画
- テレビ
- 写真
これらのものは、「偶像崇拝」の対象になるため禁止だそうです。
偶像崇拝とは、目に見えるものを信仰の対象にすること。
要は勝手に自分で信仰の対象になるようなものを、作ってはいけませんということです。
例えば、ジャニーズやアイドルの方なんかがそういった対象となります。
批判した者には当然、逮捕もしくは処刑という極刑が待っています。
それでも世界のほとんどがこの時点では無関心でした。
ところが、ある事件をきっかけに世界中から注目を浴びることになります。
米同時多発テロ
画像 wikipediaより
この事件の首謀者は、アルカイダというテロ組織のオサマ・ビン・ラディン容疑者です。
ここで勘違いしないでほしいのは、アルカイダとタリバンは別だということ。
しかしアメリカは、アフガニスタンに入るなりアルカイダとタリバンの両方へと攻撃をしてきます。
なぜタリバンも同様に攻撃をされなければいけないのでしょうか?
悪いのはアルカイダ?タリバン?
米同時多発テロ以降、ビン・ラディンはタリバンを頼ってアフガニスタンへ来ました。
そこで、タリバンは頼ってきた客人守るという独自のルールのもと、ビン・ラディンを守ります。
アメリカはこれに対し、かくまう者も同罪だ!!
と、いうことからタリバンに対しても攻撃を開始しました。
アメリカ軍から攻撃を受けつつも、タリバンが復活した理由
テロ以降、アフガニスタンの治安はアメリカ軍が維持していました。
しかし、2003年のイラク戦争のために多くの兵士をイラクへと送ることになります。
ここでアフガニスタン内の兵力が大幅に減ってしまいました。
さらにアメリカが作ったアフガニスタン政府は、外国の援助に頼りきりでした。
そこに多額のお金がつぎ込まれた結果、当時のアフガニスタン政府は汚職まみれになり、どんどん政治が腐食していきました。
そしてついに政権崩壊へ。
タリバン兵はゲリラ化し、山奥へひそみながらもアメリカ軍や政府軍との戦闘を続けました。
「死ねば天国に行ける」という考え方のタリバン兵に勝ち目はなく、犠牲者やコストが増大するばかりのアメリカ軍は、2020年に完全撤退をすることになりました。
アメリカ軍がテロから20年という節目で撤退したことにより、タリバン勢力が拡大し、また昔のように支配されるのはイヤだといって、アフガニスタンの人々が逃げ出す結果へとつながったのです。
国際的に見たタリバン政権への今後の見通し
日本や欧米は、国際的なルールを守るかどうかも分からないとして、今は様子見だそうです。
しかし、中国やロシアはタリバン政権にいち早く接近し、事実上容認したとのこと。
色々と裏がありそうですね…
まとめ
アフガニスタン内での、アルカイダとタリバンというの2つのテロ組織。
初めは良かったタリバンも、独自の解釈による宗教観による強烈な支配から逃れたい市民。
テロを起こしたのはアルカイダなのに、庇ったタリバンも同時にアメリカの報復のまと。
タリバン兵の「死ねば天国へいける」という考えから、一向に収まらない戦いに終止符を打ったアメリカ軍。
アメリカ軍の完全撤退により、以前のように支配されたくないと言って、飛び立つ飛行機にまで掴みかかり逃げようとする市民。
この番組を見たおかげで、ようやく理解ができました。
感謝の気持ちを述べつつも、僕と同じようによくわからないなと思っている方に、少しでもお役に立てたら幸いです。
では、また。